版画技法

凸版画

色を付けたい部分を浮き彫りにして、それ以外の部分にはインクがつかない様に彫り、凸の部分にインクを乗せて紙に写し取る技法。

木版画

柔らかい木を彫って版を作る技法。シンプルで力強い表現が生まれますが、柔らかい木の原版なので反りや割れが出やすいのが短所です。活字と一緒に刷れるので、テキストなどの挿絵としてよく使われます。

リノカット

リノリュームという建築資材(床材に良く用いられる)の板を木版画と同じ様に彫って版を作ります。リノリュームは木よりも柔らかく、板目の制約を受けない為どの方向にも抵抗無く彫ることが可能です。

凹版画

凸版画とは逆に、へこんだ部分にインクを埋めインクを拭き取り、凹部にインクを残します。この版と紙を重ねて圧力をかけ転写する技法。

エッチング

綺麗に研磨した腐食性の金属にニスを塗り、乾いたら鉄筆等で引っかき、デッサンを描きます。版を酸に浸し鉄筆で引っかいた部分を腐食させ溝を作り、そこにインクを詰め写し取ります。良好な状態で刷れるのは500~600枚が限界です。

ドライポイント

銅版に直接鋼鉄針等で描画し、溝を彫ります。腐食液を用いず、先の尖った道具「ポイント」で刻描するのでドライポイントといいます。彫った線がささくれ立つ為、インクの滲みや、描線の強弱など独特のタッチが特徴です。そのままでは磨耗しやすい為、あまり枚数が刷れません。メッキして版を強くしてから刷って、500~600枚刷る事が可能です。

アクアチント

腐食銅板技法で、パウダー状にした松脂を銅版に振りかけ加熱すると松脂が定着します。その上にニスを塗り酸に浸すと、松脂のついた部分が腐食し銅版に穴が開きインクがのります。線で明暗を描く技法とは違い、面で明暗をつける事により、微妙なトーンを表現する事が出来ます。

メゾチント

金属板にロッカーと呼ばれる彫刀で、全体に均等なささくれキズをつけます。ささくれを削り取る様に彫っていくと、とれた部分だけインクが乗らず白くなります。黒い面を白く彫っていく技法です。微妙な明暗加減を楽しむ事が出来ます。

平板画

版は平らなままで、水と油の反発力でインクの乗る部分と、乗らない部分を作り、インクの乗る部分だけを写し取る技法。

リトグラフ(石版画)

表面に無数の小さな穴のある石灰石版を利用します。(現在ではアルミ板)石版に油性のインクやクレヨンで直接図版を描きます。版として強化する為、樹脂粉やストーンパウダー、アラビアゴムなどを何度ものせて刷ります。また、鉄筆で黒い部分を削る事も出来ます。石版を使ったりリトグラフは、描画の再現性画よく、細かく美しく刷り上がります。

オフセット

印刷イメージが作られている版と紙が直接触れないのが特徴です。版に付けられたインクを一度ゴム・ブランケットなどの中間転写体に転写して、そこから紙に印刷します。この方法により、連続して大量印刷が可能になりました。

孔版画

インクが通過する孔とインクが通過しない所を作る事で製版し、印刷する技法。

シルクスクリーン

枠に張った絹やナイロンの幕(スクリーン)を介して印刷する方法です。図柄を切り抜いた原紙をスクリーンの裏側に貼り付け、感光剤などで謄写します。スクリーンに直接マスキングの塗料を塗り制作する事もあります。多色刷りの作品は、色の数だけスクリーンが必要になります。

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