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Vol・27  〜第44回日本美術展覧会(日展)〜
日本美術展覧会(日展)は、1907年(明治40年)に文部省美術展覧会(文展)に始まり、1946年(昭和21年)に日本美術展覧会(日展)と改称され
現在に至ります。日本を代表する美術展覧会の1つとなっています。

日展東京会場は、99年間にわたり上野の「東京都美術館」で開催してきましたが、日展100年目を迎える2007年からは六本木に開館した
「国立新美術館」に会場を移し、新たなスタートを切りました。


作品は、日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書と5部門に分かれていて、3千点以上はあります。
日本画、洋画だけでも1千点はあり、ほとんどが大作でとても見応えがあります。
特選が部門ごとに10作品。他に内閣総理大臣賞が日本画、洋画から1作品ずつ、文部科学大臣賞が彫刻、工芸美術、書から1作品ずつ
日展会員賞が各部門から1作品ずつ選ばれています。

会場は、幾つかに分かれていて半券を見せて出入りが出来るので、鑑賞の途中に館内のレストランやカフェで一休みしてまた観覧するのも
いいかもしれません。
ガラスのカーテンウォールに隣接したエントランスカフェは、目の前に広がるテラスの開放感が心地よいスペースとなっています。
作品がとても多いので、「国立新美術館」を楽しみながら「日展」をゆっくり鑑賞するのがいいでしょう。


会期・・・・・平成24年11月2日(金)〜平成24年12月9日(日)
       10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日・・・毎週火曜日
会場・・・・・国立新美術館  東京都港区六本木7−22−2
主催・・・・・公益社団法人 日展
後援・・・・・文化庁


*国立新美術館*
2007年1月開館。設立目的を展覧会の開催、情報収集およびその公開、教育普及としコレクションを持たない新しいタイプの美術館です。
設計は、建築家 黒川紀章(1934〜2007)によって行われ国内最大級の展示スペースを持ち(14,000u)、館内にはミュージアムショップ
レストラン、カフェなどが併設されています。
Vol・28  〜写実画〜
先日、観に行った「日展」に写実画の作品が多くありました。
写実画とは、まるで写真のように忠実に被写体を描いています。では、写真とはどう違うのでしょうか。
写実は、目に見える一瞬を捉え、写実画は一瞬ではなく、被写体の内から発する感覚を捉え作品にしているのではないでしょうか。
写実画、とくに精密画はとても時間がかかり1年に数点しか書くことが出来ません。
1枚の絵と向き合い、こつこつと緻密に作り上げた作品です。

その写実画に魅了され建てられた美術館が「ホキ美術館」です。
ホキ美術館は2010年11月に千葉市緑区に開館した館長である保木将夫氏が所有する美術館です。保木氏が収集した写実絵画作品が
飾られています。

コレクションのきっかけは、95年頃に出会った森本草介氏(1937− )の写実画(精密画)「横になるポーズ」だそうです。
その後、コレクションは野田弘志氏(1936−)の作品をはじめどんどん広がっていき、日本で行われている展覧会には足を運び
新人の画家も発掘していきました。
そして現在、巨匠から若手まで約50作家350点の写実絵画を所蔵している写実絵画専門美術館「ホキ美術館」が出来たのです。


以前は写実の画家はあまりいなかったのですが、冒頭に述べたように近年の「日展」や「展覧会」に写実画が多くみられてきています。
写実画(精密画)は精密さ繊細さが求められる作品です。
手先が器用な日本人が得意とする分野ですので、これから世界で活躍していける作風となり、脚光をあびてくるのではないでしょうか。

先日開催されたクリスティーズオークション香港会場では、高塚省吾(1930−2007)の写実画(精密画)が約200万円で落札されました。
少しずつですが注目されつつある現われではないでしょうか。
まだまだ若手の画家も多く、これからの活躍が楽しみです。
Vol・29  〜ラファエロの素描、過去最高の39億円で落札〜
ルネサンス期のイタリアの巨匠、*参考1 ラファエロの素描「Head of an Apostle」(使徒の頭部、1519〜20年ごろ)が12月5日に開催された英ロンドンの
サザビーズオークションにかけられ、紙に描かれた作品としては過去最高額となる2970万ポンド(約39億円)で落札されました。
事前の予想では、落札価格は1000万〜1500万ポンド(約13億〜20億円)とみられていました。

落札をかけて4者が争った結果、電話で参加した入札者が、「オールド・マイスター」と呼ばれる巨匠たちの作品としては史上2番目の高額で落札しました。


サザビーズでオールド・マイスターの作品の競売を担当するグレゴリー・ルビンスタイン(Gregory Rubinstein)氏は、「在職中にこうした作品の競売に関わる
事ができるのは幸運なことだ。世界の偉大なコレクターたちの多くが今夜、ラファエロの類稀な才能、この作品の比類なき美しさと非常に優れた
来歴を認めた」と話しました。


黒のチョークで描かれたこの素描は、ルネッサンス期の絵画の中でも最も重要な作品の一つであるラファエロの「キリストの変容」(Transfiguration)に
含まれる人物の1人を題材としたものです。1520年に37歳で死去したラファエロの遺体がローマのアトリエに横たえられた時、その枕元に
掛けられていたのが「キリストの変容」でした。

*参考1

Head of an Apostle

Vol・30  〜雑誌「コドモノクニ」〜
大正時代、子供向けの本格的な絵雑誌「コドモノクニ」が創刊されました。
その絵雑誌は、1922年(大正11年)に創刊され、1944年(昭和19年)3月までに287号が発行されました。
子供向けの雑誌と言っても、子供が何度もめくっても痛まないようにと厚手の紙を用いたり、5色製版オールカラー印刷にしたりして定価は50銭(現代での
4,000円位)と高価なものでした。

“真の芸術に触れることで、子供達の豊かな情操を育てたい”という思いから、美術、文学、音楽を3つの柱に本を代表する作家や芸術家が5,000点にも
及ぶ作品を寄せています。
文学者としては、北原白秋、野口雨情、西条八十、内田百聞、横光利一など、画家としては、武井武勇、岡本帰一、竹久夢二、藤田嗣治、東山魁夷、
古賀春江などそうそうたる顔ぶれです。
漫画家の手塚治虫、絵本作家のいわさきちひろなど、後の表現者たちにも影響を与えた雑誌でした。
アインシュタインが来日した際に祖国に持ち帰った事や、当時の宣伝広告などから海外にも輸出されていたアートブックでもありました。

絵画主任であり501点と最も多く作品を発表した岡本帰一の絵は、当時の日本の子供達の憧れのものが詰まっていました。
作品「ワタシ ノ オヘヤ」の少女の着ているセーター、卓上に載っているセルロイド製のキューピー人形や他の人形たちなど最先端の流行が描かれています。
きっとワクワクしながら見ていたのでしょう。

そんな本書が「名作選」という形式でハースト画報社から復刻され、昨年12月の段階でシリーズ全5巻が発売され、終刊から70年近く経った今、再び
注目を集めています。

昔を懐かしむ年配者や子供向けに購入する主婦層だけでなく、若い世代にもアートや、デザインとして受け入れられています。
芸術には、いつの時代でも通じるものがあるのでしょう。
Vol・31  〜巨匠モネ「睡蓮」高額落札〜
フランスの印象派画家の巨匠、クロード・モネ(1840〜1926)の「睡蓮」が11月7日、クリスティーズ・ニューヨークオークションで競売にかけられ
4376万2500ドル(約34億7600万円)で落札されました。モネの作品の落札価格としては史上2番目の高値になりました。


「光の画家」と呼ばれたモネは、時間、季節の移り変わりによって微妙に変化する光や、色彩をテーマとしていました。
それゆえ、同じモチーフを違った時間、光の下で描いた連作を多く制作しました。
中でも最も作品数が多く、有名な作品が「睡蓮」の連作と言われています。
「睡蓮」は、フランスのジヴェルニーにあるモネの自宅にある睡蓮の池をモチーフに、1899年頃から亡くなるまでの間合計200点以上も制作されました。


今回落札されたのは、その「睡蓮」のうち *1参考  1905年に描かれた作品で、1909年のデュラン・リュエルの展覧会にも出品された作品です。
所有者の資産家の女性が、ニューヨークの私立学校に寄付していたものです。


モネの最高値になった作品は、*2参考 1919年の「睡蓮」です。2008年、クリスティーズ・ロンドンにて4090万ポンド(当時のレートで約87億7000万円)
で落札されました。

*参考1

*参考2

モネ睡蓮
モネ 睡蓮1919

1905年作品

1919年作品